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拱手抱拳礼

ここでは、「拱手抱拳礼」 に関する記事を紹介しています。

               陳式太極拳・おいらの虎の巻と独り言 もくじ



さて武術の表演などで必ず使用される “抱拳” ですが、こちらは “挨拶での抱拳” とは形が違います。
これを挨拶と間違える人はいないと思いますが、この “武術抱拳” も正しい形があります。
表演大会などを見学していても、あまり注意を払っていない人が以外と目に付きます。

 baoquan1.jpg
  悪い例です。


私は私の老師のほか、北京で表演・武術大会の開催に関わっていらっしゃる先生方からも
指導を受けました。


この “武術抱拳” の時の注意点は

   「左手の全ての指をピンと伸ばし、親指を人差し指の付け根から離さない」

   「右手の“ゲンコツも親指を離さない・立ち上げない、親指の爪の辺りを中指に付ける」

   「両手で繋がれた腕の“輪”を胸の前でしっかり保つ(円では開き過ぎなので、楕円です)」

   「組まれた両手をやや下回転させ、ゲンコツの指を相手に見せるようにする」

などです。また、この動作に入る時にも注意が必要です。両腿外側にある両手を
自然に持ち上げるわけではなく、

   「姿勢をしっかり正す」

   「伸ばされた両腕(両手は両腿の外側)から大きな“輪”を描くように持ち上げ、
    両手が組まれたあとに、やや下回転させ相手にゲンコツの指を見せるように 
    “グッ” と突き出し、“ピタッ” と静止する」

などです。私はほとんど表演大会には出場しませんが、主催の先生方から

   「この “武術抱拳” も大事な審査項目に入っていることもある。」

と伺いました。

baoquan2.jpg
正しい抱拳です。


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「拱手抱拳礼:その1」 で述べた “両手の形” と “両手の位置” にも常識があります。

“両手の形” ですが、左手はあまりそれぞれの指をぴったりと付ける必要はありませんが、
注意が必要なのは

   「親指を人差し指から離さない・持ち上げないこと」

です。いわるゆ “ヒッチハイク” の様に親指を立てるのは “素晴らしい、凄い” などの
意味を表現しています。これはアメリカ、日本だけでなく中国でも同じです。
 
中国の大学内の対外漢語系などでは習いますが、中国は意外と “手” を使って表現する
動作があります。 つまり “親指を立てる” ことは “私はすごい” ということを表しますので、
武術表演の“抱拳” (拱手抱拳礼:その3で述べます)では特に謙虚さの欠けた
非常に失礼な行為です。

もちろん相手に向けて片手のみで親指を立てるのは
“あなたの(技術・表演・頭脳など)が凄い”という意味になりますが、挨拶では必要ありません。 
 
また挨拶では “左手の指” をピンと伸ばす必要はありません。これは武術表演などのみです。
 
“右手” は軽くゲンコツを作り、同じように親指を持ち上げない事です。
また “両肘” も自然な状態に保ちます。ぴったりと脇に付ける必要はありませんが、
“武術表演抱拳”の様に開いてはいけません。
“両手の位置” は胸口(みぞおち)の前では低すぎますので胸の前あたりに保ちます。
人によっては意外と激しく前後に両手を揺らしながら挨拶しています。

 
    その3につづく・・・


中国の時代劇、武術映画などでよく目にする 「抱拳」 ですが、現在でもよく使われております。
春節 (旧暦の正月) を迎える時なども、あちらこちらでみんな 「抱拳」 で挨拶しています。
(中国の10代の若者も 「抱拳」 で挨拶するのかはよく解りません)
 
私は李老師(私の陳式太極拳の老師)に武術を習う前に

   「礼儀を重んじる武術精神」

として習いました。 老師とお会いする時、別れる時は必ず「抱拳」で挨拶します。
これは私の師兄・師弟の間でも同じです。

gongshou.jpg

この「抱拳」の時は必ず

   「左手で右手を包む」

と習いました。(あまり深い根拠は考えていませんでした)しかし、
テレビ番組の司会者や記念行事などで

   「右手で左手を包む」

という動作を頻繁に目にします。どうも疑問に思いながらもあまり心に留めていませんでしたが、
先日「新民晩報」という地元新聞の「中国新聞」欄でこの疑問に答える記事がでていました。

記事の題名は 「拱手抱拳礼:左上右下」 というものでした。
中国の民俗学者・専門家が大勢の中国国民が正式な伝統儀礼作法を解っていないことを
指摘している内容です。

   「北京オリンピックの開会式の中でも演じている人達の中で、間違いに気付いていない人いる。
    監督が指導しなかったのだろうか?」

   「春節晩会 (中国版紅白歌合戦の様な大事な行事) でも司会者・劇団員が間違えていて、
    少数の人しか注意していない」
 
などの内容です。これは

   「礼儀に対しての無知をさらけ出している恥ずかしい行為」

ということです。いくつか根拠があるようですが、記事では

「中国古代、春秋戦国の思想家、老子 が“文人は左手が高貴で、
兵は右手が高貴”と説いたそうです。また一般的に右手で武器を扱うため、
右手を包み込むことは古代の“平和を愛し、平和を願う”ということを象徴している」

とありました。日本でも左手で「握手」するような非常識な人はいないでしょう?
しかし、まだよく現代の “文人” と “兵” の区別がはっきりわかりません。
 
ある日、中国国家主席 「胡錦濤」 が飛行機のタラップ上で右手で左手を包みこんで 
「抱拳」 している映像を目にしました。トップレベルの人が間違うわけはないと思いますので、
これは権力者(古代の文人に相当)が高貴な左手を右手で覆い謙虚の意を表していると
個人的には考えています。

また記事の最後は

   「もちろん例外もある。例えば葬式のときには “右手で左手を包みこむ” こと。
    絶対に間違えないように!!」

と締めくくっていました。

 
 
   その2につづく・・・