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武術鍛練の心得

ここでは、「武術鍛練の心得」 に関する記事を紹介しています。

               陳式太極拳・おいらの虎の巻と独り言 もくじ



外は人が多い割には公園が少なく、鍛錬出来るスペースがないので
自主鍛練は大体部屋の中で行っています。套路・単式・推手・靠(体当たり)の鍛練は
ずっとしているのですが、なんとなく发劲(ハッケイ)の鍛練は以前よりは激しくしなくなったので
(言い訳ですが・・・)先日久しぶりに気合いを入れて30~40分ほど打ちまくりました。
体の状態を確認しながら鍛練したのですが、やっぱり日々の鍛練を怠っていた為、
強烈に体の内部を痛めました。次の日の夜は寝るのも苦しく2日ほどは体を動かすと
とにかく激痛がはしるので大変でした。

李老師から以前になんども
  
   「1日鍛練をサボったら、1週間ほど鍛錬しない様なものだ、鍛錬で怪我をしたら全く意味がい。
   特に发劲(ハッケイ)の鍛練は注意して徐々に体を慣らさないとだめだ。肋膜炎(胸膜炎)にる
   可能性がある。」

と言われたのを思い出した。4年ほど前も体の内部を激しく痛めて10日ほど激痛が
はしり鍛練が出来なかったことがある。また後頭部がキ~~~~ンとなることも多い。 (これは正常です)
みっちり準備運動してから徐々に体を慣らしてから打ちましょう。
また少しでも体の内部に痛みを感じたら中止しましょう。

いろいろ調べてみたのですが、肋膜炎(胸膜炎)とは簡単に説明すると
胸膜に炎症がおこり胸水のたまる疾患の様です。

他発性と自発性があるようで前者の場合、胸部・背部の打撲、慢性疲労時の腕を中心とした
過度の力仕事・トレーニング、器械体操などにより発症する可能性がある様です。
いわゆるオーバートレーニング症候群に分類されるものだと思います。
スポーツ医学関係の資料には分類されていないものもありはっきりは解りません。
また医学関係資料にもあまり他発性の肋膜炎(胸膜炎)について言及しているものはほとんどありませんでした。

単純に「发劲鍛練後、胸部に痛みがあれば胸水が溜まっている」というものではありません。
内部が痛むというのはどうも胸壁=胸郭(胸部の内臓を守る働きのある胸郭を形作る肋骨の
上下・間を覆う筋肉で外肋間筋・内肋間筋・横隔膜などの筋肉)を傷めるという事のようで いわゆる筋肉痛です。
準備運動を怠ったり年齢にそぐわない激しいねじりを入れた運動などで痛める肋間筋挫傷もあります。


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呼吸器系の筋肉図(医学栏から)


痛みはとても鋭く、ひどく痛めると体をベットから起こす・鼻を強くすするなどでも激痛が走ります。
最初は胸部全体が痛いような気がしていたのですが、指で痛みのある部位を押さえてみると
痛みのある部位がとても狭くピンポイントでした。押さえてみると少し痛みが和らぎました。
(中国医学資料に書いてありました)

发劲の体の使い方はおそらく中国武術の伝統拳でも学んでいないかぎり理解できないと思います。
なぜなら发劲に使用される人体用法・理論はその他の格闘技とは明らかに違いが見られるからです。
私は武術研究家ではありませんのではっきり分りませんが、
陳式太極拳・意拳(大成拳)・形意拳・八極拳・三皇炮捶・真意六合拳など
丹田で練ったものを単発的にドンッと炸裂させるタイプの武術は負担が大きい様な気がします。
素早い動きと手数で相手を翻弄するタイプの武術では理論が多少異なります。
 
少なくとも中国武術を鍛練している者として「丹田から気を発する」という理論は理解している
つもりですので、「丹田で気を練る・圧力を高める」ということは解ります。
しかし生理学上、丹田に呼吸器が備わっている訳ではないので、当然呼吸器官に
負担が掛かります。また打ち出す速度がとても速いので未熟な状態だと
その他の筋肉・関節を痛めてしまいます。


rrr.jpg
丹田(いわゆる下っ腹です) これはちょっと解かりにくい・・・
 

後者の自発性の肋膜炎(胸膜炎)の場合は肺疾患・結核性・癌性・ウイルス性などの病気で、
胸の痛みや咳・痰・呼吸困難・激しい動悸・発熱・悪寒・倦怠感などの症状がある様です。

;胸壁の筋肉痛なら問題ありませんという訳ではありません。上記の内容は私の体験と
  少し医学書を読んだ程度なので極めて主観的です。
  基本的に肋膜炎(胸膜炎)はいろんな症状・病気を併発・合併症を引き起こす要素がある
  という事ですので、不自然な痛みがあれば病院に行くべきだと思います。
  また鍛錬前はみっちり準備運動をしましょう。 

関連記事:伝統陳式太極拳
      (陳照奎宗師の弟子の中で最も高い功夫を備えていると言われている方の動画です)
       私の套路をYOU TUBEに載せました
      (私のショボイ動画です)
       おいらの武術環境


参考資料:ヘルスクリニック
       医学の革命書 
       上半身の筋肉の名称・名前 
 
 

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私は2005年、初めて中国に来て北京の大学で語学と武術を学んだ時は、
大学の寮に入り早朝5時から8時半頃までみっちり鍛練をしてから、中国語の授業に向かい、
午後も李先生と2~3時間鍛練したあと帰ってから自己鍛練が3~5時間という
変態的メニューを採用していました。確かに基礎体力と基本はある程度身に付いたと思いますが、
正直後悔しています。
やはり午前中という “脳” の状態が1日の中でもっとも “創造的・繊細な出力” に
適している時に “体力” を消費するのは相当にもったいない行動だと思います。

陳式太極拳は体に与える健康作用がもっとも高い武術の1つですが、
これは 「瞑想・気の流れを感じる・丹田に気を沈める・自然の力を吸収する」 などの非常に 
“内的・抽象的” な理由だけでなく、“物理的”に 「体にかかる負担が最も高い」 ので
健康作用が高いということです。これは “发劲” や “激しく素早い動作” をする・しないにかかわらずです。

低い姿勢でゆっくり動くには足・股関節・腰をはじめ全身に強い負担がかかりますし、
“腰” を中心としたすべての動作を体現するのは繊細な想像力・理論力・直観力を鍛えますし、
20分~40分という套路の間、呼吸の乱れを抑えることには横隔膜などの呼吸と連動した
機関に負担がかかり、血液中の酸素濃度を上げる・肺活量を上げる鍛練になります。
(実際に陳式太極拳を長く鍛錬されている人の肺活量が多く、たとえば一般の人より
かなり長く息を止めることができることは科学的にも証明されています、私は現在3分17秒です)

とにかく膨大なエネルギーが必要なので、私はあまり陳式太極拳が “健康的” だとは
思わないことがあります。80%~100%ほどの力で一路・二路を続けて2~3セット打つと、
足が痙攣し、意識が重く、少しやつれて目が窪んでしまいます。
(冗談ではありません、他人が見てもすぐ分る状態です)

そんな膨大なエネルギーを消費する運動の後、授業など受ける状態にはありません。
実はわたくし、そんな理由から1年の内、半分以上は授業に出ていませんでしたので、
思いきり落ちこぼれました・・・。

    P1080154.jpg
    中国版画網から

私が言いたいのは 「午前中は勉強しましょう!!」 ということです。
ちなみに 私の老師もあまり早朝に起きてキツイ鍛練をするのは賛成ではありません。



 
安くて動きやすいので武術鍛練でも結構みんな履いている “布靴” です。
いわゆる “現場作業靴” ですので、日本の作業服屋などで販売している靴に当たりますが
(日本の品質とは比べられませんよ)これもメーカーによって実に品質が様々です。

 buxie.jpg

今回購入したのは山東省の「興軍」というメーカーのもので、いままでで一番しっかりしていて、
デザイン・裁断がとても実用的にできていた。
(物によってはサイズがピッタリでもサイド・バックがわずかに低く 「スポッ」 と脱げてしまうし、
高いと “くるぶし” がすりきれてしまう)

   「150円だよ、本当さ。」

と言われたのでなんとなく 「ムッ」 とした顔をしたら、120円にまけてくれた。
必ず両足試着してから購入しましょう。左右で大きさが違う事がありますよ。

さてこの “布靴” ですが、基本的に緩やかな武術(24式など)には問題ありませんが、
陳式太極拳の様に低い姿勢を保つ、また激しい動作を要求する武術にとってはどちらかと言えば
“上級者向き” です。

なぜなら “靴” 自体がただの “布” なのでとても柔らかいです。
鍛練で培われた “功夫” がある程度備わっていないと(もちろん私も高くはありませんよ)、
たとえば “震脚” をゆっくりやっても骨に直接ショックがつたわりますし、 
“抓地” がしっかり身についていないと “靴” の安定感がありませんのですぐに
よろけてしまいます。また股関節・足首の強度としなやかさがないと
すぐに横にめくれ上がってしまいます。

 lilaoshi.jpg
李老師がよく指導中に生徒を集めて注意しています。


李老師は

   「鍛練で “功夫” が身についているのかどうかは “足” をみればすぐわかる。
    上半身が鍛え上げられていても、足・腰ができていないと意味がない。」

とよくおっしゃいます。 また 「陳照奎宗師」 が弟子や挑戦者の力量を
測るのに “足” を中心に観察したというのはとても有名な話です。

この “布靴” を最初から履いて鍛練すれば、“皮靴・運動靴” では効果が表れにくい
“足” の鍛練にはなりますが “悪い癖” が付いてしまう可能性があるので
しっかりした指導者がいない限り “初心者” にはあまりお勧めできません。

また長拳の様に飛び回る武術で使用するのは危ないと思います。